穏やかな毎日だった。


今では「英雄」と呼ばれる4人で食事をとる事が慣例になっていて。



幸せだった。


家族がいて、家族同然の人達がいて、無邪気な子供達に囲まれて。





それを何故、奪われなければならなかったのだろう。


この理不尽な生活を、強制されねばならなかったのだろう。



奪われる翼





それは、突然のことであった。


マルキオ導師の運営する孤児院で、皆で食事をとっていた時。


子供たちもキラも彼の友人達も、常に笑顔を浮かべながら、カリダを中心とする女性陣の作った夕飯を食べていて。


またそれを食べながら話に花を咲かしていたので、誰も気付くことができなかった。


静かにダイニングルームにある窓の一つが開けられ、そこから小さなビー玉のような物が部屋に投げ込まれた事に。


それから、無色無臭の気体が発生し始めた事にも。


誰も、何も異変に思うことなく、部屋に充満し始めたその気体を吸っていたのである。



数分後、ダイニングルームにいた者たちは全て、安らかな寝息を立てて眠ってしまっていた。


それを確認し、マスクを装備した複数の男達が孤児院に侵入したが、だれ一人としてその事に気付き、起きだす者はいない。



それを承知で男達は懐からデータを取り出し、その顔写真と同じ顔を持つ人物を探し始める。


一人一人顔を確認していくと、ある人物のところで一人の男が「いた」と呟いた。


それとほぼ同時にその男の隣にいたもう一人の男が、「こっちもだ」と言う。


そしてまた少し離れた場所でも、同じような呟きが。



それを確認した一際体格の良い男が、通信機に向かってこう告げる。




「ターゲット、キラ・ヤマト、ラクス・クライン、カリダ・ヤマト発見。

―――そのまま護送します。」




すると間を置かずに通信機から「了解」と言う声が聞こえ、次いで男達は行動を開始した。



今回の命令は、新議長直々に賜ったものだ。


男達は彼の命令通り、データに載る人物達を隠してあるシャトルまで丁重に運んで行く。



―――――そのシャトルが向かう先は、コーディネイターの地、プラントであった。




 (あとがき)
新連載です。
・・・「拘束〜」も終わってないのに・・・。
でもなんか思考が暴走気味だったのだ、浮気させていただきます。
しかもなんか短い?まぁ、序章である、とでも考えてください。

最初こそこんなで出しですけど、これはギャグ系に
入ると・・・多分入ると思います。

 それでは、長い目でお付き合いください。
 



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